進撃のトランプ 今後を予想してみた その3

さぁ、本日、トランプはTPPは離脱、2国間での日米自由貿易協定をFTAを行う、と云う事を言い出しましたね。

まぁ、これ、言っている事メチャクチャなんですよ。相変わらず。

各国の貿易の歴史の始まりは、WTOからスタートなんですよ。

よくまとまっているので、経済産業省のWEBサイトから引用します。

はじまりはWTO

世界の貿易ルールを決めるWTO(世界貿易機関)は、161の国と地域の「全会一致」が原則。しかし、先進国と途上国が対立し、2001年から開始した交渉は、停滞してしまいました。

関税のFTA、より幅広いEPA

そこで、「二国間での交渉」が主流になりました。
関税の撤廃・削減を定めるFTA(自由貿易協定)や、
関税だけでなく知的財産の保護や投資ルールの整備なども含めたEPA(経済連携協定)がそれです。

日本は、シンガポールとのEPAが初めてでした(2002年)が、いまや世界全体で271もの協定があります。
4つの地域間交渉
このまま二国間の交渉を続けるのは、さすがに非効率です。そこで、地域でまとまって交渉する動きが4つでてきました。

そのひとつが、

①「TPP」。太平洋を囲む12か国が参加しています。

他の3つは、まだ交渉中ですが、

②「日EU・EPA」

③アメリカとEUと間の「TTIP」、

そして東アジアというくくりで④「RCEP」。ここにはインドや中国、韓国、ASEAN全加盟国なども参加しています。

なお、④の地域では、「日中韓FTA」も交渉中です。また、①と④を包含し、アジア太平洋全域にまたがる「FTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)」という壮大な構想もあります。

ようするに、最初はみんなで決めようぜ!として全員同意のもとでやっていたんですね。

でも、全員同意できる条約なんて、そう簡単にできません。

なんで、今度は、二人で決めようぜ、っていって、2国間で貿易の在り方を決めてきたわけですが、

めっちゃ効率く悪くね?200か国ぐらいあるんでしょ?世界って?どんだけ時間かかるんだよ?

となりますよね。普通。

なんで、近い国でルール作ればいいんじゃね?と云う事で、まとまってルールを決めようと、ということになってきたんです。

で、太平洋に面している国でルール作ろうぜ、というのがTPPなんですけど、二人だけで決めていたFTAと決定的に違うのが、関税だけではなく、相手の国内のルールも変えることができるんですよ。

いわゆる 非関税障壁 の撤廃ですね。

トランプが言っていることは、こんな歴史がある中、TPPまでこぎつけたのに、FTA、昔のやり方に戻そうぜ!という事なんですよ。

FTAというのは関税を扱うのがメイン。単純に米国の雇用を奪うものについては、関税を上げる、と言っているもんです。

となると、報復的にほかの国もアメリカ製の関税を上げに行きますよね。

それが米国にとって得なのか、どうか。

この選択は、どの層の立場に立つのかで、答えが変わってきますよ。

多国籍企業とその下請け(ようはトヨタみたいな会社)にいる立場なら、FTAですよ。

出て行った工場を呼び戻して、数千人の雇用を増やす。3000人増えれば、家族もあわせて3000人以上は飯を食べられる。

金融、サービスなら、TPPですよ。アメリカの保険会社、金融機関はTPPで生まれる保険、金融の分野にかならず進出してきます。米国としてみるなら、金融サービスが伸びると国の益は増えますが、中間層には関係ありません。

一方、工場などの第二次産業で働いている人に職を与えるなら、TPPはなんの効果もありませんので、TPPは政治的パフォーマンスを考えて撤退OK。NAFTAは必ず撤退でしょう。メキシコから工場を呼び戻す、といって。

これでラストベルト、さび付いた工業地帯は、復活していく、かも、しれません。

それと、公共事業を再開することで、日雇い労働者も増え、国内物流業も興隆していくことでしょう。

そうなれば、中間層には感謝されるでしょうね。でも米国としての国益は、金融サービスより額は落ちるでしょう。第2次産業の興隆は、一時のもので、サービスのように永続的に行えるものではないのでね。

もし、TPPをこれだけ乱暴に脱退したらFTAの交渉も難航するでしょう。本当に中間層を守るために関税を引き上げると、貿易戦争の始まりですから。

なんでみんなアメリカを見ているかというと、世界最大の軍事力と、経済力を保ち、同盟国を守り、物を買っているからなんです。

ケンカが強くて金持ちなんですよ。だからみんな云う事聞くんです。

でも、トランプさんは、んなこたーしらねー。もうみんなを守ったり、作ったりしたものは買わない。全部自力でやっていく、と言ったらですよ、世界の覇権国家を降りることになりますね。

そうなると、米国に頼る国がすくなくなっていく、ということなんですね。

アメリカが保護主義になると、日本にとっては相当な打撃です。米国への輸出が少なくなるんですから、すそのの広い自動車産業はじめ、船舶、機械、などの重工業系は死活問題になってきます。

また、日米同盟自体は堅持されるでしょうけど、在日米軍がいなくなると、面倒な事が起きます。同盟は堅持しますが、米国が日本を守らないかもしれません。米国が攻めて来ないだけになるわけなので。

で、トランプさんはそんな事は100も承知で、今後どうするか、です。

今日のTPPについては、ジャブみたいなものです。米国にとって不利な項目の再交渉をしたいといいだすでしょう。

最初に強烈にこちらの条件を伝え、その後どんどん譲歩する。

これ、交渉の基本ですので、こんなんで慌てて意気消沈していたら、相手の思うつぼ。

まだまだ、でますよ。トランプ砲は。日本へのカードはTPPと日米同盟、この二つになります。TPPでつまづきそうになったら、今度はおそらく日米同盟の在り方を変える発言をし、日本に譲歩させるはずです。

シナリオとして面白いのは、

トランプは公約通りに、TPP脱退、日米同盟の負担の在り方の変更、など世界の覇者、警察の地位を捨ててしまう事。

そうなると、日本は本質的に政策を変更せざるを得ません。日米同盟が基軸ではなくなるのですから。

在日米軍が撤退することも考えられるシナリオとして考えておかないといけませんね。

いやーこうなると、全く予想つかないから、面白くなる。

面白くないシナリオとしては、

TPP撤退を武器に、在日米軍の費用の全額負担をさせる。日本は輸出面での利益をかろうじて確保。

一方でほかの国、特にロシアについて。

ロシアが絡むシリア問題については、米軍は撤退。ロシアとアメリカが友好的になり、米国に相当量輸出している中国と米国が対立、という形ですかね。

トランプは政治的体制について、オバマのように人権論を全面に出してくるとは思えません。経済的に得なのか損なのか、そこだけ見ていく可能性が高いと思っています。
 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA